2015年01月23日

明日香が購入したのは、ワンデーアキュビューディファインを2箱

カチューシャ

ミサコはまず、チャコールのワンデーアキュビューディファインを提案する。今、明日香がしている同じ度数のものがあったので、サンプルで試着してもらう。
白目がちだった明日香の瞳は、くっきりとではなく、ふんわりと輪郭が広がり、どこか
夢見る人形のような雰囲気になる。
「わぁ、すごい!それに、本当に、やさしげな瞳になるんだ」
「元々、明日香ちゃんがかわいいから、更に雰囲気を盛り上げたって感じかな」
ミサコは、明日香の服装をチェックする。
「制服のブラウスはアイロンかけなくていい素材?」
「うん、かけなくてもいいけど、かけた方が、見た目がいい」
「じゃあ、面倒くさいけど、アイロンかけようか。それにアイロンかけが楽しくなるスプレーがあるんだ」
ミサコは、フレグランス入りのアイロン用スプレーを取り出す。
「ブラウスのしわが伸びていくたびに、いい香りがするの。ブラウスを着ているときも、もちろんフワッといい香りが続くのよ」
「へぇ、なんでもあるんだ、このお店」
ミサコは、その他、ワンデーアキュビューディファインに似合う、チャコールのフワフワしたカチューシャを取りだした。そんなに幅はないから、目立ち過ぎないけれど、近くで見たときに、ワンデーアキュビューディファインと絶妙な相性で、互いを引きたててくれる。
「あとね、これは、どうかな?」
ミサコは、黒髪の天使の小さなマスコットを取り出す。髪の毛が明日香より長かったので、ミサコはそれを肩までの長さにカットし、青いカラコンをしている人形をチャコールのワンデーアキュビューディファインに変える。
「え~、これ、どうなってるんですか?」
ミサコは、嬉しそうに笑う。
「最近、デザインした、ミサコ姉さんオリジナルのマスコット。ここのお店の看板のマスコットのエンジェルに、何通りかの髪型を用意して、カラコンを付け変えられるようにしてあるの。あ、もちろんカラコンはプラスチックに色を乗せてあるものだけど、かなり本物の色や雰囲気に近いものを作ったの。それに、カールやストレート、茶髪や黒髪、金髪のエンジェルも作ってあるから、お客さんのイメージに一番近い雰囲気にして差し上げるの。あ、これはまったく私からのサービスだから無料よ。ワンデーアキュビューディファイン用の瞳も準備が間に合っていてよかったわ」
「人形にはめるプラスチックのカラコンでも、そんなに微妙な違いがあるの?」
「それはもちろん。ここは美容院でも何でも屋でもない、カラーコンタクトのお店だから、コンタクトのカラーだけは、絶対に譲れない」
自信たっぷりのミサコに鏡を渡され、明日香はエンジェルと自分を見比べる。
瞳の色は本当にそのまま同じだった。服装の違いはともかく、明日香は嬉しそうに微笑む。
「ねぇ、お姉さん、もうひとつ、サービスして。このカチューシャの生地も欲しいの」
たまたまラッピング用のリボンにカチューシャと素材と色が近いものがあり、ミサコは器用にカチューシャに仕上げていく。そして、明日香のカバンに、エンジェルをぶら下げた。
「なんか、学校行って、みんなに自慢したくなってきたよ」
明日香の言葉にミサコは、うなずいた。
「行きたくなったら、行けばいいし、そうでなかったら、いつでもここに遊びにおいで」

結局明日香が購入したのは、ワンデーアキュビューディファインを2箱、カチューシャと、フレグランススプレーのみだった。
「また来るね、ミサコ姉さん!」
明日香が嬉しそうに、学校に向かう駅の方にむかって去くのをミサコは嬉しそうに見送った。



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Posted by 弘せりえ at 09:25│Comments(0)短編
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